十三仏めぐりは、北海道から九州に至るまで、日本の広く多くの地域でおこなわれており、私達の住む神戸の地域でも、独自のめぐり方があったと考えられています。
神戸という街は、古くは摂津の国と播磨の国の一部ずつが合わさった地域であり、明治維新後は八部郡(やたべぐん)、菟原郡(うばらぐん)、明石郡、有馬郡、美嚢郡などが集合して形成された都市。
神戸十三佛霊場会は昭和62年神戸港開港120周年の際、様々な地域の集合体である神戸を感じられるコースを望む気運が高まったことから、識者などにより各地域から推薦や協議がおこなわれ、平成6年に発足に至りました。
選定された神戸十三佛霊場会の寺院は、奈良や京都といった古都の寺院に勝るとも劣らぬ、歴史と景観を有する仏閣群でございます。
十三仏めぐりは、故人の成仏を祈る供養や自身の成仏を祈る逆修(ぎゃくしゅう)や、願掛けなどお参りをされる皆さまの目的や想いは様々でございます。なによりもまずご自身が一歩を踏みだし、霊験あらたかな十三の仏さまとご縁を結んでいただくことが肝要です。
神戸十三仏めぐりには一番から十三番まで札所番号がついておりますが、必ずしも番号順にめぐる必要はございません。お住まいの地域やご都合にあわせ、お近くの寺院から巡るなど、ご自由にご参拝頂けます。
札所を一気にめぐる方法もあれば、少しずつ数日に分けてめぐる方法もございます。
一気に、すべての寺院を巡ることを「通し打ち」、数ヶ寺ずつ日を分けて巡ることを「区切り打ち」と呼びます。その昔、巡礼者や遍路者が、寺院に参拝した際に木や金属の札を打ち付けたことに由来する“札所”という呼称もここから来ています。
神戸十三仏めぐりでは専用の宝印帳や宝印軸を各札所寺院にてご購入頂けます。札所寺院では、参拝の証に宝印帳(納経帳)に墨書朱印をさせて頂いております。
宝印帳は1,000円、墨書朱印は各寺院300円。
神戸十三佛霊場共通の御朱印の受付時間:午前9時~午後4時
※寺院によっては例外として受付時間の前後がございますこと、予めご了承くださいませ。
受付時間内であっても法要などの都合で納経所(御朱印受付)が受付けできない場合もございますので、確実に御朱印を得るには、事前にお電話で各札所寺院にご予約頂ければ幸いでございます。
また、団体参拝の際の法話や特別拝観には志納が必要となる場合や寺院がございます。こちらも予め各札所寺院にお問い合わせ下さいませ。
神戸十三仏霊場会発足直後、阪神・淡路大震災が発生し、皆さまの大きな努力や想いが重ね続けられたことで、この街は急速に復興を遂げることができました。
〝物心一如〟という言葉がございます。あらゆる物と心は一体のものであり、人は、心が宿ってない物や環境に囲まれ続けていると、次第に心は荒むものです。
私たち神戸十三佛霊場会は、被害を受けた建物や道路が急速に復興する中、心が置き去りにされることを危惧し、参拝を通じて仏さまを感じていただき、皆さまが、日々明るく溌剌と過ごしていただける“心の復興”を目指して団結し取り組ませて頂いてまいりました。
それぞれの仏さまを祀る神戸十三の寺院で過ごされる皆さまのお時間が、安らかで心地よいものであることを、私達も願っております。
合 掌